平成30年度教育民生常任委員会 行政視察二日目 慈恵病院における「こうのとりのゆりかご(あかちゃんポスト)」について

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赤ちゃんポストの裏

赤ちゃんポストの裏

 非常に有意義な話を聞けたと思います。全国的にも有名な取り組みであり多くの人が耳にしたことがあるのでは無いかと思います。自身としても、答えが出ないような難しい問題を取り組んでいることに尊敬の念を抱いた次第です。

「こうのとりのゆりかご」は、熊本県島崎にある医療法人聖粒会慈恵病院が遺棄されて命を落とす新生児や人口中絶で失われていく命を救いたいという思いから、匿名で子どもを預かる施設として計画したものです。病院の建物内部に設置し、平成19年5月10日より、運用が開始となりました。

結論から申しますと、ゆりかごに預け入れられた子どもの対応については、子どもへの最善の対策が求められており、一病院の努力に対応のすべてを任せるのも厳しいと思いました。公的機関によって一定の受け皿を考えて行く必要があるのでは無いかと思いました。

自身でも少し、諸外国の事例を調べて見ましたが、ドイツが進んでおり、ベビークラッペというものが赤ちゃんポストのモデルとなっているそうです。

慈恵病院のHPから引用しますと、
匿名で赤ちゃんを預けるシステムで、施設(保育園や病院など)の壁に扉をつけ、中に温められたベッドが置かれている。扉を開けて赤ちゃんをベッドに置き、ベッドの上に置かれている母親宛の手紙を取り、扉を閉めると再び開けることはできない。運営はのように赤ちゃんが預けられると、警備会社のブザーが鳴り、警備員が駆け付け赤ちゃんを確認すると、施設スタッフが赤ちゃんを連れ、小児科の病院で診察を受け、異常がなければ里親のもとで8週間育て、異常があれば入院となる。8週間以内に親が名乗り出なければ、全て実子として養子縁組される。重症の障害がある場合を除いて、障害のある赤ちゃんは普通の赤ちゃんの数倍の養子希望があるとのことであった。
とのことです。内密出産制度等、今度、行政も関わる先進的な話題も教えてもらいました。

今回の話はあまりに深く、軽々に書けない話題ですが、自身が印象に残った点として、

1,全国から一病院に、母子にとって緊急的な問い合わせがあるということ。
2,匿名出産が自身が思っている以上に多く、相談支援を行政でも行わないといけないと思った点。
3,子どもほしくてもできない人に対しては、緊急避難的に出産をする親に対し、産まれる前に親になることをしっかりと意思確認を行い、確約しておく点。仮に障がいがあった場合でも、受け入れるという点です。ほとんどすべての子どもがほしい親は受け入れるそうです。
4,これは、自身が質問したことですが、育ての親が養子として、受け入れた場合、いつのタイミングでカミングアウトを行うのがいいのかという点。答えとしては、できるだけ早い内がいいとの答えがあり、そして答えは無く、自分なりの言葉であなたを愛していることを伝えてほしいといった趣旨のお言葉をもらいました。

特に④については、自身の友人から養子であったことについての相談をかつて受けたことがあり、身につまされました。昔のことですが、自身としてもかなり言葉に窮し、どう言葉をかけていいのかと思ったことを思い出しました。今では立派な母親になっており素晴らしい人になっております。そのような難しい話を、日々対応されていることについて尊敬をする次第です。

末筆ながら、カトリック宣教師J.M.コール神父と5名の修道女により慈恵診療所開設した経緯もあり、赤ちゃんポストについても、根源をたどるとカトリックの伝統的な考え方から出発していることも理解することができました。報道等では知り得ませんでしたが、実際に視察に赴き、話を聞かせていただくと、涙が出そうな話をお聞かせいただきました。本当にありがとうございました。行政の対応は社会情勢や法律的な保護責任者遺棄罪をしっかりと調査し、お話いただいたものをいつか形にしていきたいと思います。

2018年07月06日
柳 毅一郎

 

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