平成30年度教育民生常任委員会 行政視察三日目 大牟田市 認知症になっても安心してくらせる地域づくりを視察

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三日目は福岡県大牟田市に参りまして、視察を行ってきました。
大牟田市の人口は、1960年の約208,000人から、2018年には約115,800人へと減少しております。そのうち、高齢者数は約41,300人となっており、高齢化率35.7%は10万人以上の都市において、全国2位との数字になっており、全国的にその取り組みに注目が集まる自治体となっております。
大牟田市が行ってきた多くの高齢者対策取り組み自体が参考になるのですが、とりわけ「認知症になっても安心して暮らせる地域づくり」を全国に先駆けて行ってきた実績があげられます。中でも、今回の視察メンバーの中でも関心が高かったのが、認知症SOSネットワーク模擬訓練(徘徊模擬訓練 ※なお、大牟田市では、認知症の方に配慮し徘徊という言葉を使っていません。)です。この訓練は、全国から視察が絶えないそうです。また全国的に、徘徊模擬訓練が実施されてもなかなか継続できず、1回で終わっていることが多い中、住民を巻き込み継続して行っている仕組みは自身も特筆できることでは無いかと思いました。
徘徊模擬訓練は、市内で高齢者の徘徊による行方不明が発生したと想定し、警察署からの情報発信にはじまり、各校区内における情報伝達や捜索・声かけ・保護までの一連の流れを行う訓練です。
「通報~連絡 ~捜索~発見・保護」の情報伝達から捜索・声掛けまでの流れを訓練します。各校区1名以上の徘徊役(ダミー)が模擬徘徊を行い、当日「あれ?この人かな?」と思う人を見かけら、声掛けを行います。声掛けすると「ありがとうカード」がもらえるなどゲーム性を持たせております。
また参加人数がびっくりするくらい多く、29年度実績では2,603人となっており、多い年では3,127人が参加しており、この規模感で毎年継続していることに驚きました。効果としては地域住民の訓練はもちろん、介護や福祉関係者と顔見知りになる機会をつくることで地域の安心感を醸成しています。
この驚くべき参加人数の為には、本人や家族の支援にあたる「認知症コーディネーター」の養成、公民館での「もの忘れ予防・相談検診」、専門医やコーディネーターで構成し困難事例の検討などにあたる「地域認知症サポートチーム」の結成など年月をかけた地道な取り組みがあると考えられます。さらには、小中学校での絵本教室も本市の認知症対策を若年層まで裾野を広げていることは特徴ではないかと思いました。祖父母が認知症になった子どもが主人公の絵本を教材に、病気についての正しい理解や寄り添う気持ちの持ち方などについて分かりやすく教えています。ローマは一日にして成らず、認知症対策も一日にして成らずです。
 大牟田市が目指す「安心して徘徊できる町」といった取り組みは全国から注視を受けており、浦安市にとっても本当に参考になる事例でありました。視察要望も多い中で、視察を受け入れていただいた大牟田市の皆様に感謝を申しあげます。

2018年07月06日
柳 毅一郎

 

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