平成29年10月3日 教育民生常任委員会 視察 二日目 不登校対策プログラム「ASU」視察
二日目の視察は、奈良県大和郡山市に行ってまいりました。
大和郡山市では、不登校状態にある市内小・中学校に在籍する児童生徒を支援するため、不登校対策総合プログラムを推進しています。この不登校対策プログラムを「ASU」(あゆみスクエアユニバースの頭文字)を呼んでいます。
不登校児童生徒が一時的にも学校以外の場所で学ぶことを保障していくという教育上の配慮が必要である、との考えのもと、不登校児童生徒の社会的自立を目指した新しい学びのスタイルを提供しています。
適応指導教室「あゆみの広場」が「ASU」の前身ということもあり、学習活動を支援する意味あいと安心して過ごせるなどの意味合いがあり、この点が非常に大きな意義を感じました。学籍移転(転校)せず、現在の学校に籍を置いたまま「ASU」に通室することができるなど、本施設があることで救われる子供も多いはずです。また通常の学校の時間と少しだけ時間をずらして登校できるように時間割を設定するなど細やかな配慮が取られております。
授業も特色があり、あゆみタイムといった、主にカウンセラーを通し、自己認知や他己認知を深め、「生きる」という課題に向かう力の育成を目指す指導や チャレンジタイムといった自分で計画を立て得意な教科や学びたい学習に取り組むことで個性の発見と伸長を図る時間を設けるなどしています。また隔週で選択チャレンジの時間を設け、調理や手芸、スポーツ、書道など継続的にそれぞれの課題に取り組んでいます。体験学習の事前学習や事後のふりかえりの時間になったり、テスト前には、先生に質問をしたりする時間にもなります。
子供を取り巻く環境も多様化している現状、非常参考になる例でありました。内容を説明していただけるだけでなく、実際に現場に連れて行ってくださるなど、大和郡山市教育委員会並びに「ASU」の関係者の方々のご協力を感謝いたします。
2017年10月08日
柳 毅一郎