下村治
TPPを考える際に下村治博士の本を読むと考えさせられます。
下村博士は池田勇人首相の所得倍増計画の経済ブレーン。
学生時代に読んだ「日本は悪くない悪いのはアメリカだ」が文春新書で復刊していたので買ってしまった。
単行本は昭和62年4月 ネスコ刊。ブックオフで100円で買いましたが、価格と内容が見合ってない好例(笑)
タイトル少し扇動的だが、非常に良書。
内容は
第一章 世界的経済不安定の元凶は日本ではない
第二章 アメリカの言いがかり
第三章 日本は事態を正しく認識していない
第四章 自由貿易は絶対に善か
第五章 もうすでにマイナス成長は始まっている
第六章 国民経済という視点を忘れたエコノミストたち
第七章 ドル崩落の危険性はこれほどある
第八章 日米は縮小均衡から出発せよ
第九章 個人生活は異常な膨張以前の姿にもどる
詳しい内容はまた時間があれば書きたいと思いますが、結論部分の本書末尾には、「忘れてならない基本的な問題は、日本の一億二千万人の生活をどうするか、よりよい就業の機会を与えるにはどうするべきか、という点なのである」とあり、その通りだと思います。
TPPは菅元首相から火がつきましたが、菅元首相がトニー・ブレアの「education!education!education!」をまねしたとしか思えない「雇用!雇用!雇用!」と演説していましたが、明らかにTPPに参加したら日本国民の雇用は壊れると思います。今思っても、どうゆう論理で雇用が増加、あるいは待遇が改善するのかわかりません。TPPに参加するより、為替対策をした方が日本の雇用増加にとっては良いのではないかと当時から思ってました。
ぜひ買って読んでほしい良書。
その他、深夜特急で有名な沢木耕太郎氏による「危機の宰相」で下村博士のことが書かれており、読んで面白いと思います。あとは日本経済成長論が中公クラシックスから出ていますが、難解ですので覚悟を決めて読んでみてください。私は挫折して賢い後輩に託しました。
2011年11月20日
柳 毅一郎