書店にて
今年の直木賞作家(受賞作品:下町ロケット)の池井戸潤氏の特設コーナーが設けてあったので見てみると、金融関係の小説が多くて興味を持ちました。受賞作とともに、文庫での作品集が並んでいたので「オレたちバブル入行組」を手に取ったところ非常に面白い。大変な仕事でも家族を守るため、仕事を頑張るお父さんの心理描写は秀逸です。おもわず、ありがとう、と言いたくなります。
続編の「オレたち花のバブル組」を買い、そのほか「シャイロックの子供たち」、「かばん屋の相続」をタイトル買いしましたがはずれがないです。作者の前職が銀行員ということもあってかなり銀行内の雰囲気のリアリティが高いです。私も前職は拙いながらも銀行員であったので小説で描かれる心理描写が非常に共感できます。不正融資に絡む話が結構出てきますがが、それは推理小説で殺人がすぐ起きることと同じと理解したいです。
普通の人は銀行窓口は利用することはあっても、その他銀行で何をしているかわかりずらいので、銀行の内容を理解する上でも筆者の小説は面白いと思います。銀行に就職したい学生にとっても興味深いと思いますし、入社後にギャップが少なくなると思います。
私自身も知らないことがあって参考になりました。一例をあげると「かばん屋の相続」に含まれている短編の「手形の行方」という作品では取引先から集金してきた割引手形を銀行がなくした場合、取引先に対しこういう対応をとるのかと勉強になりました。集金した割引手形をなくすなど恐ろしくて想像もしたくなかったです。
内容も筆者の経歴ならもっとマニアックにもできるところを抑えつつ、一般の人にわかりずらい銀行業務をよくここまで噛み砕いてかつ面白くかけるなと思いました。直木賞受賞の下町ロケットについても読んでみたいなと思っております。
今回はなんだかアマゾンレビューみたいなブログになってしまいました。
2011年08月21日
柳 毅一郎