2012年東トルキスタン独立記念行事

  昨日、東トルキスタン独立記念行事に参加して参りました。
  1933年と1944年の11月12日(まさしく今日)に、※二つの東トルキスタン共和国は独立宣言をしました。この二つの東トルキスタン共和国はどちらも短命で終わりましたが、中国の圧政下にあるウイグル人にとっては、今でも民族の象徴的な存在であり続けているそうです。

※現在の新疆ウイグル地区の一部
 満洲人による大清帝国が漢民族による辛亥革命などにより崩壊すると、ウイグル民族もチベット民族やモンゴル民族と同様に独立国家設立を目指した。中華民国を建国した漢民族は中国本土から勢力を広げて東トルキスタン、満洲、モンゴル、チベットなどの旧大清帝国の統治下にあった各民族の居住地域の支配を目指した。これに対して、ウイグル民族は2度にわたり東トルキスタン共和国を建国したが、国共内戦後の1949年に再び共産党支配下の中国に統一され、1955年に新疆ウイグル自治区が設置された。

挨拶をする日本ウイグル協会代表イリハム・マハムティ氏


  代表挨拶では、ウイグル、チベット、モンゴルが中国からどのようなことをされたか、これからも精力的に真実を伝えなくてはならないと仰っていました。そうしなければ、「日本のためにならないと考えるし、我々が祖国を取り戻すために協力していただける日本人の方も現れてこない」と述べられました。
 我々も他人事ではなく、ウイグルに対する中国の苛烈な弾圧には目を向けなければならないはずです(中共が占領後、圧政を課し、そのことにウイグルが対し異議も申し立てをすると弾圧を行うこと)。
  たとえば、昨今では、ウルムチ事件が記憶に新しいでしょう。2009年7月5日、首府ウルムチで行われたウイグル人の平和的な抗議行動は、中国の治安部隊によって残酷に取り締まられ、無数のデモ隊参加者が殺され、逮捕されました。この事件以降も、多くのウイグル人が逮捕され、まともな法的手続きを経ずに懲役刑や死刑が執行されています。

講演を行う宮脇淳子先生


  今回の記念講演は、中央ユーラシア草原の遊牧民の歴史についての研究者である宮脇淳子氏をお招きし、現在も東トルキスタンの地域が中華人民共和国の領土とされている、その歴史的起点を学ぼうということが趣旨でありました。

  演題は「※ジューンガル帝国の興亡:新疆はいかにして清朝の領土になったのか」でありまして、非常に学術色の強いかっちりとした講演でありました。

※ジューンガル帝国
17世紀から18世紀にかけて現在のジューンガル盆地を中心に活動した遊牧民オイラトの一部族および、それが中心となって築き上げた遊牧帝国。オイラト部族連合に属し、一時期はオイラトの盟主となって一大遊牧帝国を築き上げた。ジューンガル帝国の滅亡後、このような遊牧帝国が2度と生まれなかったため、最後の遊牧帝国とも呼ばれる。

 内容が多量且つ複雑であり書きませんが、モンゴルとジューンガル、そして清、さらにはチベットとの関わり合いが入り組んでおり、中央アジア史は非常に複雑であるということを感じました。知らないことが多く、まだまだ勉強しなければならないことが多いなあと思いました。
 

2012年11月12日
柳 毅一郎

 

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