浦安市義援金について
まずそもそも義援金とは何か考えてまいりたいです。
義援金は、国民の自発的な善意に基づき民間で集めたもので、その使用については、中央防災会議が定めた防災基本計画において、「地方公共団体が義援金収集団体と配分委員会を組織し、十分協議の上、定めるものとする」とされ、国が直接関与すべきものでないとされてきました。
今回、浦安市は、「浦安市内の被災された方への支援を目的に、義援金を受け付けることにしました」との名目に2011年3月24日19時27分発表しました。タイトルは「浦安市災害義援金のお願い」です。
しかし、口座名義は、浦安市災害復旧寄付金となっており配分委員会の組織を前提とした義援金として集めたいのか、災害復旧・復興の財源を意図した市への寄付金として集めたいのか市としても初期段階で混乱が生じております。この点については、市は実相としてどういう意図のもとこういう書き方をしたのか自身は不明です。
そもそも「寄付金」とは、地方公共団体に対する支援を目的とするもの、「義援金」とは、被災者に対する支援を目的とするものと解釈されますので、最良な方法としては、「義援金」と「寄付金」を分離し募集することではなかったのか。
市は一連のマスメディアの報道ののち、HPに
今回の「浦安市災害義援金(災害復旧費寄附金)」に関する報道等により、誤解が生じていますので、本市の考え方を事実に基づきご説明いたします。
浦安市では、東日本大震災後、被災された方々への支援などを目的に、市独自の義援金を受け付けてきました。その際、直接来庁された方や電話でお問い合わせのあった方には、義援金を被災者支援の事業に活用する旨、説明いたしました。
市では、平成23年6月、被災者支援を目的に一般会計補正予算(第3号)を編成し、この中で、義援金については、全額を被災者支援の目的に充てる特定財源に区分し、「災害復旧費寄附金」として、本市独自の被災者支援制度となります「被災者住宅等再建支援事業」の財源の一部に計上しました。この補正予算は、浦安市議会において、一人の反対もなく全議員の賛成により可決されました。
一部報道で、『大震災義援金が、「市庁舎改築」「花火大会」に消えていた』と報じられましたが、そのような事実は全くありません。
平成23年度の決算は、この先、浦安市議会において審議されますが、市では、決算資料の中でも、浦安市災害義援金の全額が、「被災者住宅等再建支援事業」の財源として活用させていただいたことを明確に記載しています。
なお、日本赤十字社等が受け皿となって集められた義援金は、千葉県を通じて被災市町村に配分されており、本市では、約30億円が配分され、全額被災者に配分しています
との見解を示しています。
市のHPでの見解の中で
平成23年度の決算は、この先、浦安市議会において審議されますが、市では、決算資料の中でも、浦安市災害義援金の全額が、「被災者住宅等再建支援事業」の財源として活用させていただいたことを明確に記載しています。
との文言がありますが、これは唐突な話と受けとめています。
「浦安市災害義援金」との名目のもとで総額は3億1416万円を集め、そのうち2億円分については、寄付金名目で審議いたしました(2011年6月議会)。ただし残り1億1416万円は、議案として議会に諮られたことは無いと記憶しております。再度市の見解の中で「市では、決算資料の中でも、浦安市災害義援金の全額が、「被災者住宅等再建支援事業」の財源として活用させていただいたことを明確に記載しています。」とありますが、いつの時点で全額が活用されることが承認されたのか。
また、冒頭に記述した防災基本計画をよく読み返すと「地方公共団体が義援金収集団体と配分委員会を組織し、十分協議の上、定めるものとする」とあります。「地方公共団体が義援金収集団体」という文言に注目すると、現状、義援金収集団体を地方公共団体が担うという想定はされておらず、明確なただし書き(例:ただし義援金収集団体を地方公共団体が担う場合がある等)がなされていないとも読み取れます。
日本語の解釈になりますが、今回のケースを見ていくと、「地方公共団体=浦安市」「義援金収集団体=浦安市」であり、用語を当てはめると「浦安市が浦安市と配分委員会を組織し、十分協議の上、定めるものとする」ことになり、「浦安市が浦安市と」=「浦安市が」となる解釈が可能です。つまり「浦安市が配分委員会を組織し、十分協議の上、定めるものとする」と意味上解釈できるのではないでしょうか。自身も2011年、6月議会で2億円分については、被災者住宅等再建支援事業で賛成いたしましたが、しかし今回の経緯を熟慮してみるとあくまで残額については、防災基本計画の文言の「地方公共団体が義援金収集団体と配分委員会を組織し、十分協議の上、定めるものとする」の言葉に従うべきとの立場をとります。
また一連の義援金についての報道を受けて、市長より議長宛て以下のような要望書がだされました。
この度、浦安市災害義援金(災害復旧費寄付金)の使途について、貴市議会所属の折本ひとみ議員がとった行為は、市議会における審議・議決を軽視するものであり、また事実に反するものです。その結果、義援金を頂いた方々はもとより、市民をはじめ多くの皆様に誤解され、浦安市、浦安市議会に対する信頼を大きく損なう状況が生じました。
こうした状況を生じさせた同議員の行為は、政治家としての倫理に反するものであると言わざるを得ません。つきましては、貴市議会として適切な対応をしていただくよう要望します。
マスメディアの報道では折本議員とともに、市当局もインタビューを受けており、なぜ折本議員のみがスケープゴートのような形で責任を負わされるのか。
そもそも「市民をはじめ多くの皆様に誤解され」るような状況の原因の始まりは、配分委員会の組織を前提とした義援金として集めたいのか、災害復旧・復興の財源を意図した市への寄付金として集めたいのか初期段階で曖昧にしたことです。募集をかけた市としての責任については当局としてどのように考えるのでしょうか。
2012年09月02日
柳 毅一郎