令和元年12月議会 議会報告 教育について 

令和元年12月議会では変化する教育環境について、本市、教育委員会の基本認識をお伺いいたしました。
議会では、準備はしていましたが、時間的に申し上げられ無かった点を補足し改めて、自身の質問とご回答を簡略に記載いたしたいと存じます。

▼EdTechについて

EdTech(エドテック)とは、Education(教育)とTechnology(テクノロジー)を組み合わせた造語です。「教育におけるAI、ビッグデータ等の様々な新しいテクノロジーを活用したあらゆる取組」です。昨今の報道では、政府は学校の児童・生徒が1人当たり1台のパソコンを使える環境を整えるとあった様に、学校のICT(情報通信技術)化は急務だと考えております。

① Society5.0におけるEdTechについて、本市の考えをうかがいたい。

(回答)
EdTechとは、教育におけるAI・ビッグデータ等の様々な新しいテクノロジーを活用した取組の総称であると理解しています。
また、児童生徒の学習履歴を蓄積したデータを活用することにより、個人の進度や能力、関心に応じた学びや、個に応じた学びの実現に効果的であると認識しています。
EdTechの活用を推進するために必要なハード面の整備については、国が児童生徒1人1台の学習用パソコンを配備する方針を打ち出しており、本市としても、その動向を注視してまいります。

② 未来の教室事業についての本市の評価をうかがいたい。

(回答)
経済産業省からの提言「未来の教室」は、未来を見通しにくい時代を生きる子供たち一人一人が、未来を創る当事者に育つための学習環境を構築するために、今後必要となる政策や、学校・産業界・地域社会等がなすべきことについて視点をあてています。
 本市としては、学習者中心のICT活用ができる授業づくり、児童生徒が自ら探究・思考する学習、仲間との協同やコミュニケーション活動等を推進しており、参考にするべきものもあると認識しております。

③ 産官学民の連携について、ぜひとも本市としても研究調査してほしいがいかがか。

(回答)
ビッグデータや人工知能(AI)の活用など急速な技術革新が進む中、子どもたちに変化の激しい社会を生き抜く力を身につけさせるためには、学校や自治体だけの対応では限界があります。
 企業や大学・国の研究機関などの助言やサポートを取り入れることは大変有意義なものと考えます。
本市においてもEdtechの実装に向けた産官学との連携の可能性については、今後、調査研究してまいりたいと考えています。

以下 参考

先進事例の千代田区の麹町中学校では、AI型タブレット教材「キュビナ」を、2018年の2学期から導入。年間指導計画に基づく従来の数学の授業時間は60~70時間あったが、それがどの学年でも約2倍の進度になり、約半分の授業時間で修了したという。テストに丸つけをして生徒に返していた今までは、教師の手元に記録されるのは点数だけでした。それが『キュビナ』を使うと記録が逐一残るため、間違えた問題だけを指導できます。また、帰宅してからの勉強時間を確認して、『こんな遅くまで頑張ってたんだね』と励ますことも可能とのことです。

タブレットを使うことで教師と生徒間のコミュニケーションを活性化させる授業支援ソフト「ロイロノート」は、開成中高などの進学校をはじめ、小学校から大学、塾でも使われている。

先にも述べましたが、政府は学校の児童・生徒が1人当たり1台のパソコンを使える環境を整えるとありましたが、コンテンツを是非、詳しい先生を中心にそろえておくと生徒や保護者が喜ぶと思いますので、どうぞご検討を願います。浦安は頑張れば先進事例となれる環境がありますので、是非ともチャンスと思って頑張って下さい

▼ESDについて

ESDはEducation for Sustainable Developmentの略で「持続可能な開発のための教育」と訳されています。
 
今、世界には環境、貧困、人権、平和、開発といった様々な問題があります。ESDとは、これらの現代社会の課題を自らの問題として捉え、身近なところから取り組む(think globally, act locally)ことにより、それらの課題の解決につながる新たな価値観や行動を生み出すこと、そしてそれによって持続可能な社会を創造していくことを目指す学習や活動です。

① ESDについて、本市としてどのように考えるのかうかがいたい。

(回答)
新学習指導要領においても、全文および総則に持続可能な社会の作り手の育成を掲げ、各教科において関連する内容が盛り込まれています。
また、主体的な学びとESDとの関連性が深いことから、本市におきましても、引き続き、体験的な学習や問題解決的な学習の充実及び習得・活用・探究の学習プロセスや主体的・対話的で深い学びの実現に努めてまいります。

② 学習材料としてSDGs を題材とすることについての見解をうかがいたい。

(回答)
SDGsは17の目標が示されており、その内容も環境、福祉、国際理解、人権など多岐にわたり、学校教育との関連性も高く、それらを学習の題材として、教科横断的に取り上げることは大変有益であると認識しています。

▼リーディングスキルテスト(RST)について

「リーディングスキルテスト」(RST)とは、教科書や新聞、マニュアルや契約書などの文書の意味および意図を、どれほど迅速かつ正確に読み取ることができるかの能力を測定するために国立情報学研究所 社会共有知研究センターが考案したテストです。リーディングスキルテストによって、中学三年生のほぼ半数の生徒が、教科書の内容が分からず、約15%の生徒は、そもそも文章そのものが読めていないことが明らかになっております。ただ自身でもやってみましたが、決して馬鹿には出来ないテストで設問も難しいものは難しいのと思いました。
 また、今回取り上げた背景として、
 AIは国語や英語が苦手であり、少し大きな話になりますが人間の優位性は何かを考え質問させていただきました。リーディングスキルテストを考案した国立情報学研究所の新井紀子氏は、将来人間の仕事がAIに奪われないためにも、大切なのはAIが得意な知識の暗記で必死になるより、本来人間が得意なはずの、文章をきちんと読んで意味を理解する力を養うことと述べております。また直近結果が出た、OECDのPISAという学力調査の読解力について、日本は8位から15位と最新数値でも数字を落としておりますので、今後様々な対応が検討されると思います。そこで、

① リーディングスキルテスト(RST)の調査結果を踏まえ、リーディングスキルテストについての本市の見解を伺いたい。

(回答)
「リーディングスキルテスト」は、教科書や新聞等の文章を、どれほど迅速かつ正確に読み取ることができるかという能力を測定するものです。
教科書に書かれている文章を読み取ることに困難さのある生徒を早期に発見し、適切な読解指導に結び付けるための参考となる資料の一つと認識しています。

② 本市の子どもの国語力向上とりわけ、読解力の向上のためにどのようなことを行っているのか。

(回答)
読解力の向上のためには、読解力を支える語彙力の強化や文章の構造と内容の把握、文章を元にした考えの形成など、文章を読むプロセスに着目した学習の充実が必要です。
 このような学習が推進できているかを確認するためにも、各学校においては、全国学力・学習状況調査や浦安市学力調査の結果を分析し、活用しています。
また、学校では、朝の読書活動、学校図書館の様々な資料の活用、新聞記事について自分の考えを述べるスピーチ等、児童生徒の読解力の向上を目指し、様々な取り組みを行っております。

③ RSTの導入についての本市の考えを伺いたい。

(回答)
本市では、一人一人の個に応じたきめ細やかな指導の充実を推進するために、少人数や多様な学習形態での指導、ICT機器の効果的な活用を積極的に行っています。
現在のところ、リーディングスキルテストの導入予定はありませんが、今後も児童生徒の学習状況を見極め個に応じたきめ細やかな指導の充実に努めてまいります。

2020年01月09日
柳 毅一郎

 

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