真面目に考えることとして。

 2月6日、千葉県の浦安市が少子化対策として、順天堂大浦安病院(浦安市)と共同し、20歳から35歳ごろまでの女性の卵子を凍結保存への取り組みを行うことを明らかにしました。
専門資格のある職員の人件費や凍結保存にかかる費用などを市が補助し、浦安市在住の女性は保険適用と同様に、費用の3割程度の負担で利用できるようになるとのこと。これは自治体では全国初の取り組みとなります。
以前、米国のApple社とFacebookが、女性従業員の「卵子凍結」に補助金を出すと発表し、働く女性にとって朗報!と話題となりました。卵子凍結保存は、晩婚、晩産化による「卵子の老化」を回避するための方策ですが、一方で、出産の先送りになるのではないかという懸念も指摘されています。
ここでは「卵子凍結」の現状についておさらいしてみましょう。

◆実際のところ【卵子の老化】とは?
いったい卵子は何歳くらいから老化するのでしょうか?
卵子はお母さんの胎内にいる時から、卵子の元である原子卵胞というものを数万個ほどをもらって生まれてきます。おぎゃあと生まれた瞬間から、閉鎖卵胞といってどんどん卵が消耗していきます。
初潮が始まる頃には1万個とか多い人で10万個あると言われていますが、毎月月経ごとに1個の卵子を排卵していきます。その時に、50個100個の取り巻き卵胞も一緒にどんどん減っていきます。卵子というのは、胎内にいるときからカウントするので自分の年齢プラス1歳年を取っています。
正式な卵子の老化の定義はありませんが、卵巣の血流がピークを迎えるのが20代後半から30代前半と言われていますので、30代半ばから老化は始まっているといえます。

◆妊娠は何歳まで出来るの?
個人差も大きいため、すっぱりと決めることは出来ません。しかし不妊症治療を受ける人の年齢などから推測すると、40歳~42歳くらいが限界なのかもしれません。
ここ数年、芸能人や著名人などで、40歳を過ぎてから初めて出産する人が目立ち、40歳を超えてもまだまだ大丈夫、と考える人も多いでしょう。
しかしこれはほんの一例であり、実際は40歳を過ぎると自然妊娠は非常に難しく、不妊治療の中でも高度な治療法を行う必要性が出てきます。
とある医療機関のデータによれば、不妊治療を行う患者さんの年齢のピークは30歳代半ばなのですが、現在一番高度な治療法である「体外受精」を行う人は、40~42歳にそのピークがあります。一方で、体外受精に必要な技術の一つに採卵(卵子を取り出すことを)がありますが、これも年齢との関係があります。
20歳代では1回の採卵で10個前後採れたものが、年齢とともに徐々にその数は減り、40歳では1~2個になるそうです。自然に妊娠することが年齢とともに難しくなる、ということが分かりますよね。
◆未婚女性にも?卵子凍結をめぐるさまざまな問題
卵子凍結は妊娠しやすい若い時の卵子を保存し、仕事や婚期など個人の事情に合わせて出産時期を調整できるメリットがあります。仕事を持つ女性の選択肢が増え、キャリア形成にも良い影響があると言われていますが、もちろんまだまだ課題も多くあります。
日本産科婦人科学会の苛原(いらはら)倫理委員長は、7日メディアでの取材で、今回の卵子凍結の取り組みについて「(健康な女性を対象とすることは)推奨しない」との考えを示しました。
まずは費用面。卵子凍結を行う民間企業の場合、初年度は保管費用を含め70~80万円。内訳は入院し全身麻酔での採卵に50万円前後、凍結に24万円。さらに卵子1個あたり年1万500円の保管料がかかります。
今回の浦安市の取り組みでは3割程度の負担でできるようになるとのことですが、それでも決して安くはないお値段です。
また、リスクとして、卵子を凍結すれば必ず妊娠できる、というわけではないということ。卵子がいくら若くても母体に戻す年齢が高齢の場合の母体への負担や、未受精卵の凍結による妊娠率の低さも問題です。
また、卵子を凍結することで安心してしまい、ますます高齢出産が助長されるのではないかという懸念もあります。

米国では、もはや当たり前の予防医療技術である「卵子凍結」。メリット、デメリットを十分理解し、自分のライフプランを考えた上で、お医者さんとよく相談して上手に利用すれば、女性をサポートする手段の一つだと言えます。将来の不安を少しでも減らしたい女性は、一度検討してみてもいいかもしれません。
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Mocosuku編集部

 従来は、若年女性がん患者が化学療法や放射線療法を受ける前に卵子を体外に取り出すことによって、治療による生殖細胞への影響を回避する方法として試みられるものであったが、近年パートナーがいない女性が将来の妊娠に備えて自分の卵子を凍結保存する事例が増えている。採卵した卵子はマイナス196℃で凍結保存され、妊娠が可能・希望する時期に解凍・体外受精を行い、子宮に戻される。ただ、体外受精での出産率は30代から低下を始め、36歳ごろから加速し、36歳で16.8%、40歳で8.1%、42歳で5%、45歳だと1%以下と年齢によって低下していくため、卵子の凍結は年齢により低下する妊孕力を完全に保つものではない。卵子だけでなく、子宮や血管の老化も妊孕力に影響を与えるためである。実際、ニューヨーク・タイムズの報道では、2014年時点で入手できる中で最も包括的なデータでは、最新の瞬間冷凍プロセスを使った場合、新生児出生の失敗率は30歳女性で77%、40歳女性で91%であり、2011年の1年間で38歳以上の女性が冷凍卵子で出産した新生児は世界全体でも推定10人程度となっている。

医学界の反応[編集]
2004年10月、日本癌治療学会、日本産科婦人科学会、日本泌尿器科学会の3団体が「癌患者さんの妊娠できる能力を残すために卵子凍結は施行されるべきである」と発表。
2013年11月15日、日本生殖医学会は神戸市で総会を開き、健康な未婚女性が将来の妊娠に備えて卵子を凍結保存しておくことを認めるガイドラインを正式決定した。卵子の凍結はがんの治療などで機能が失われるのを避けるために保存するのが本来の目的だが、指針ではこうした医学的理由のほか、成人女性が加齢などで妊娠が難しくなる可能性を懸念する場合の卵子凍結も、年齢など一定のルールを設けることで無秩序に広がるのを防ぐ目的で認めた。 既婚、未婚を問わず、40歳以上での卵子の採取と、凍結卵子を使った45歳以上での妊娠を推奨しない
卵子の凍結保存と妊娠・出産の先送りを推奨するものではない
凍結した卵子は、本人が希望した場合や死亡した際には直ちに破棄し、妊娠可能年齢を過ぎた場合も通知した上で破棄できる

などがガイドラインで上がっている。 ただ、上述のガイドラインでも示している通り、社会的要因による卵子凍結は推奨されるものではなく、「リスクを最小にすることを考えるなら妊娠適齢期は20~34歳」であり、性教育については「こうした全ての正しい事実を教えることが必要」というものが医学的なスタンスである。

2015年2月8日、日本産科婦人科学会の倫理委員会は「健康な女性を対象とする卵子凍結保存の女性は推奨しない」との見解を示している。

マスコミと世論

日本においては、NHKクローズアップ現代の「卵子老化の衝撃」をはじめとする報道が、2012年ごろより盛んにされるようになり、社会的にも卵子の老化、卵子凍結保存が認知されてきた。「AERA」2013年8月5日号(2013年7月29日発売)では就活、婚活、妊活に続く言葉として『卵活』という言葉が登場している。岡山大学の研究グループが2013年に行った調査では、社会的理由での卵子凍結保存に否定的な人は70%を超える結果となった。35歳~44歳でパートナーがいない女性の回答では肯定感を示した人が43.6%と高い数値となった。一方で癌治療などの医学的理由での卵子凍結保存に対しては肯定的な人の割合は全体の79.8%となり社会的理由と異なり大多数の人が肯定しているという結果となった。2013年11月に日本生殖学会がガイドラインを制定して以降、社会的な認知度は高まったが、以前より卵子凍結保存を行っていた有名医院では「危機感を覚えてやってくるのは結局40代以上の人が多い」、「結局凍結した卵子を使う人が少ない」、「年齢や保存の期限により廃棄しようとすると、トラブルが多い」という理由から中止する医院も増えている。

FacebookのCOOであるシェリル・サンドバーグ(en:Sheryl Sandberg)はTED「何故女性のリーダーは少ないのか」のなかで、『女性は子どもを持つことを考えたその瞬間から、その子どものためにゆとりを確保することを考えはじめます。「その他のことと子どもを持つことを、どう両立すればいいの?」と。そしてその瞬間から、彼女たちは積極的に手を挙げて出世を望んだり、新しいプロジェクトに取りかかったり、「私にやらせて下さい」と言わなくなるのです』と述べ、Facebookは2014年1月より女性社員による卵子の冷凍保存に対して最大2万ドルまで資金援助する福利厚生策を導入している。

日本の状況
2015年2月5日、順天堂大浦安病院と浦安市が、加齢による不妊を避ける目的で健康な女性が自分の卵子を凍結保存する「プリンセス・バンク」構想を進め、浦安市は少子化対策の一環として市民を対象に凍結保存費用を助成することなどを計画していることが報道された。構想では、将来の出産に備えたい20歳から35歳ぐらいまでの健康な女性の卵子を凍結保存する予定。これに対し、上述の通り、日産婦は推奨しない方針を示している。

世界の状況
凍結卵子を用いた世界初の出産例は1986年、オーストラリアのクリストファー・チャンにより報告された(この際は未受精卵ではなく、受精卵が用いられた)。
中国系ニュースサイト「東北網」が2014年7月23日、韓国人の間で晩婚化に伴い、妊娠したくなった時に使えるよう、卵子を冷凍保存する独身女性が増えているとの報道をしている。
アメリカでは、2012年のデータでニューヨーク大学病院の生殖医療センターで卵子を凍結した依頼者のうち約8割は医学的理由なしに凍結を希望する人々で、平均年齢は38歳であった。
2014年1月、Facebookが女性社員による卵子の冷凍保存に対して最大2万ドルまで資金援助する福利厚生策を導入、アップルも2015年1月から導入。

報道された出産事例
2014年12月6日、2001年高校2年生の時に悪性リンパ腫にかかり、治療に抗がん剤の投与が必要だった女性が、抗がん剤の投与で卵子がつくられなくなる可能性があるため卵子を凍結、2014年8月30才の時に解凍した卵子を使って出産した事例が報道された。卵子を10年以上凍結保存して出産したケースは日本国内では非常に珍しいとされる。女性と交流があるNPO法人「全国骨髄バンク推進連絡協議会」の大谷貴子によると女性は「子どもが生まれてとても毎日が幸せです。血液疾患の患者さん全てが希望を持ち、治療に励んでほしい」と話しているという。日本生殖医学会常任理事の石原理埼玉医科大学産婦人科学教授は、「がん治療をするために卵子を凍結保存する全ての患者がうまく出産に至るわけではなく、過剰な期待を抱くわけにはいかないが、救われた人がいたことはとても意義がある。(健康な女性の場合も含め)安全性の評価は定まっていない。卵子を採取しておけば出産できるという保証があるわけではない。」とコメントしている。

2015年02月13日
柳 毅一郎

 

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